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DSPによる非線形信号処理

DSPは累積和演算が高速に演算できるよう設計されたプロセッサです. この演算が出来てうれしい処理というのはディジタル信号処理であり, 主にフィルタや FFT に応用されています. フィルタに関しては,その処理の中身は $\sum_{i=0}^{n} a_i x_i$ としてるに過ぎません.過去の入力時系列の情報をもとに,適当な 係数をかけて現在の入力情報を修正したり,未来の情報を作り出したり することが本質です.この処理手続きは力学系とみなせます. 線形フィルタに関しては盛んに研究されていますが,非線形力学系の 動的性質を利用するようなフィルタなどに関しては,われわれが知る限り あまり例がありません.

つい最近までDSP 自体はアセンブラで記述して高速化を図っていたため, ある種職人芸が必要でしたが,現在は高級言語(C言語)でプログラムが 書けます.これはコンパイラのコード生成効率が上がってきたというより, 複雑な並列処理プロセッサを,人間がコードを生で書いて制御することが 不可能になってきたと言えるでしょう.

DSPは Cでコードが書けるとはいえ,オペレーティングシステムが介在する 汎用計算機のようなコードでは動きません.本学科 3 年生のときに みっちり仕込んだ技術,すなわち,メモリの配置,割り込み処理 など組み込み型システムのノウハウが必要となります.



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