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カオス制御
非線形常微分方程式/差分方程式で記述される力学系が
カオス応答を示しているとき、カオスの中に埋め込まれた不安定な周期
軌道を安定化する制御器の設計問題に関する研究です.
(カオスは,無限に存在するサドル型不安定軌道の集合とも捉えられます.
それ自身は不安定なので,極限集合としては可視でないはずなのですが,
大域的には安定な領域に押し込められており,軌道が仕方なく,それらの不安定
軌道の付近を彷徨している様として見える,それがカオスとも言えます).
1990年にOGY法という制御手法が開発
された当初の「カオス制御」の定義は
上記の周期軌道の安定化が目標でしたが,現在はこの定義は拡張され,
非線形力学系の不安定極限集合はすべてカオス制御の範疇に入ってくるようです.
当研究室では,連続系にみられるカオスに対し,
Poincaé 写像によって差分方程式系を導き,極配置法
で設計されたカオス制御器を構成,その出力をホルダで保持,
連続系にフィードバックする方法を考案しました[32]
その後,不安定化制御[30], [51]
自律系,高次元系への拡張を行ないました.[28]
実回路への応用としては,スイッチを含む回路での
カオスの制御を行ないました.[78], [153], [163].
1998 年にウエタが在外研究員として Houston 大学に
滞在したのをきっかけに,Pyragas などの提唱する
External force control, [126], [212]
(Springer の本の章にしました)
Delayed feedback control [255], [292],
[308], [294] の
研究にも着手しています
また Chen 先生の提唱する `anticontrol,' `chaotification' の
研究の一環で,
Chen's attractor
[140][142] など,興味ある力学系を
発見しています.
Contact address: ueta @ tokushima-u.ac.jp